ご挨拶

法律学の基礎から応用までを少人数教育で

 法政大学法科大学院は、法律学を実生活に応用し、現代社会に生じる多様な法律問題に対して適正かつ迅速に対応できる、創造的応用力を備えた市民のための法曹の養成を目的としています。これは、1880年に、ボアソナードゆかりの気鋭の法律家によって東京法学社が設立されたことをルーツとする本学の成り立ちに直接に関わっているものであり、「自由を生き抜く実践知」の体現、そのものとなっています。そのためには、まず、法律の原理・原則・概念・思考方法等の基礎をしっかりと学んでもらい、これに続いて、各種法律が有する多様な論点について、多角的な観点から分析して論理的に結論を導き出すことのできる応用力を会得してもらいます。そして、導き出した結論とその理由を的確に表現する能力の育成にも重点を置いた教育を実施しています。

 ところで、公法と私法、民事法と刑事法、実体法と手続法といったかたちで相互に対立・依存・関連・交錯する各種の法律学について、2年間あるいは3年間で、その基礎をしっかりと学び、かつ、その応用力まで身に付けることは、必ずしも容易ではありません。しかし、法政大学法科大学院の教育課程・カリキュラムは、この困難な目標を自ずと達成できるように、用意周到に編成されています。特に、法曹資格取得に必要不可欠な法律基本7科目(憲法・民法・刑法・民事訴訟法・刑事訴訟法・商法・行政法)については、1クラス10名以下を標準とした徹底した少人数クラス編成を実施しています。質疑応答を中心とした双方向型の授業によって、基礎から応用までをしっかりと学べるようになっています。

 また、法政大学法科大学院では、専任教員として、教育研究水準の高い研究者と、司法研修所教官等の経験のある元判事や元検事、そして現役の弁護士などの実務家をバランスよく配置しています。これによって、民事法であれ刑事法であれ、実体法であれ手続法であれ、理論と実務を有機的に学ぶことができるようになっています。

 なお、併設している無料法律相談室では、弁護士である実務家教員の指導のもとに、現実の事件について、法律相談に立ち会い、相談後の相談担当弁護士との協議により、法律相談の重要性や困難性を学ぶことができます。法科大学院在学中からこのような機会を体験できることは、大変貴重であり、皆さんの今後の法律家としての人生に多大の貢献をもたらすことになります。

 以上のように、法律学の基礎と応用を少人数教育でしっかりと学べる法政大学法科大学院は、自由と民主を標榜する21世紀の日本社会において不可欠の存在であり、法政大学法科大学院から創造的応用力を備えた、市民のための法曹がひとりでも多く育っていくことを心から願っています。

法務研究科長
高須 順一

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